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2024年11月17日

2024年11月2回目のウール倶楽部開催

11月15日(金)、16日(土)の2日間、今月2回目のウール倶楽部を開催しました。
富士山の上空には1回目の倶楽部当日同様、笠雲がかかり2日間共に曇天。15日(金)には富士山に2回目の積雪がありました(下の写真で僅かに確認できます)。気象庁は、16日を境に気温が下がるという天気予報を発表していましたが、さて、どうなりますか? 
天気はともかく、今回も、部員一同、ウール倶楽部最後となる展示会の準備に勤しみました。


突然ですが、士別の「くるるん」から羊のブローチが届きました。馬飼野牧場訪問時に、サフォーク研究会の会長さんが胸に付けておられた素敵なブローチを見て、倶楽部員がおねだりしていたものです。訪問時のお礼のお手紙と共に倶楽部員全員へのブローチをお送り下さったのです。士別の皆様との長きに亘る交流から生まれた暖かな愛情を感じました。長い間、ご支援いただき本当に有り難うございました。
感謝、感謝です。


倶楽部では先ず、橋本先生から見事なショールが披露されました。ヴォーグ学園心斎橋校の佃先生がデザインし編まれた作品です。オヤの手芸の先生らしく、繊細で可憐な模様のレースです。展示会当日、是非、その美しい作品をご覧下さい。


こちらは橋本先生によるサンカ模様のベスト。お風呂上がり用に冷えを押さえ、温かく過ごせるよう、肩を広めに編まれたそうです。これからの季節、重宝しそうですね。


2日間、展示会の準備に追われました。
こちらはワークショップに登場するリースの参考作品です。リースというと針葉樹やオリーブの葉、木の実、お花などの材料を使うのが主流ですが、ここはウール倶楽部。せっかく羊毛が沢山あるのだから、羊毛を主体に作りましょうということで、フェルトを沢山使ったウール倶楽部らしい作品に仕上がりました。
「ドングリの袴に入れたフェルトボールがとても可愛い!」
「欲しくなってしまう!」
可愛いできばえに、部員もひと安心です。
展示会当日、ワークショップで是非お作りになってみて下さい。市販では手に入らないご自分だけのリースを作る事ができます。




倶楽部2日目も、ワークショップの準備の他、展示のレイアウトなど配置図を書いたり、写真を撮ったり、頑張りました。
昼食の後、ゆっくりできる時間も今日が最後だろうと、一足早い内輪でのお別れのお茶会をしました。席上、長年、この地に羊文化を根付かせるため、ウール倶楽部運営のためにご尽力下さった橋本先生への感謝の気持を込め、記念品をお贈りしました。倶楽部の代表者3名が悩みに悩んで選んだ印伝のリュックサックです。喜んで受取っていただけました。来年からは馬飼野牧場に来られることはなくなりますが、様々な生活の場でお使いいただけますと嬉しいです。そして、このリュックをお持ちになった時には、「富士宮のできの悪い生徒達(できの良い生徒さん、ごめんなさい)」のことをほんのちょっとだけ思い出していただけますように。


11月2回目のウール倶楽部が終了し、私達に沢山の魅力や充足感だけでなく心に安らぎを与え続けてくれた牧場での経験も余すところ3週間後の展示会だけになってしまいました。最後の展示会が盛り上がりつつ無事幕を閉じることが出来ますよう、部員一同、万全の準備に頑張ります。  

Posted by woolclub at 14:00
倶楽部活動

2024年11月02日

2024年11月1回目のウール倶楽部開催

11月第1回目のウール倶楽部は1日(金)、2日(土)に開催しました。
1日は曇り。富士山の上には笠雲がかかり、今にも雨が降り出しそう。2日は朝から雨模様、一日中雨が降り続きました。こんな日でも、インパチエンスが華やかに花を咲かせています。初夏から秋遅くまで、頑張って株いっぱいに花を付けてくれます。




12月6~8日に行なわれる恒例の展示会を最後に幕を閉じるウール倶楽部。11月の2回の倶楽部が最後の活動日となります。さすがにこの時期になると、展示会の準備に余念がありません。2日間で、ワークショップのキットを作ったり、不足している部品をチェックしたり、招待状に住所シールを貼ったり、忙しく働いていました。




春刈られた羊毛。処理をしていない汚毛が倉庫に沢山残されています。のんびり構えていた部員達も、今年もあと2ヶ月となり、お尻に火が付いたカチカチ山のタヌキ(古いですか?)よろしく、重い腰を上げて処理を始めています。倉庫から汚毛を引っ張り出し、先ずはソーティング。不要な部分と残す部分を選り分けます。どこを残し、どこを捨てたら良いか、なかなか決心がつかない部員もいて、皆で協力し合いながらの作業です。
次はスカーディング。ゴミや汚物を取り除きます。草や藁くず、小枝などが絡まっていたり、ウ〇〇がくっついていたり、なかなか大変な作業で、時間もかかります。セカンドカットの短毛も丁寧に取り除きます。








ゴミ取りが終ったら、洗いです。大鍋にお湯を沸かし洗剤を入れて洗液を作り、ゴミを取った羊毛を入れ、1晩浸け置きしてから洗います。






綺麗になった羊毛は網の上に干して乾くのを待ちます。


2日午後3時前頃からは風雨が酷くなり、そんな中、部員は早めに帰路につきました。遠方からの部員の動向が心配でしたが、三島から通ってくる部員から「沼津周辺は冠水しているところもあり、アンダーパスは通行止めになっていて、やっと家に帰って来ることが出来ました」と連絡が入り、ホッとしました。午後6:00頃には富士市でも洪水警報が発表され、一時でしたが、庭に水が溜まるほどの大雨でした。昨今は予期しないほどの天候の変化に驚かされることがしばしばです。あと2ヶ月、遠方から通ってくるメンバーも近隣のメンバーも、何事も無く楽しく倶楽部活動を完遂することができますように!  

Posted by woolclub at 22:45
倶楽部活動

2024年10月19日

10月2回目のウール倶楽部開催

10月2回目のウール倶楽部は10月18日、19日の2日間開かれました。
20日は寒気が下りてくるため真冬並みの寒さと予報されているのに、その前日である19日は蒸し暑く、平地では30℃近くまで上がりました。いつまでこんな気候が続くのでしょうか? 富士山は雲をかぶり、「天気は下り坂だよー」 と言っているような気がします。



いよいよ展示会まで、今日を含めてあと3回しかありませんが、今日は出席者が少ないため、皆で展示会の細々した準備をする事になりました。
先ずは招待券のシール貼り。丁寧にラベルを切り、はみ出さぬよう気を配りながら貼ります。
また、ワークショップの出し物であるクリスマスリースの作り方や、来年の干支の白蛇の置物のレッスンなどを学び、気忙しい1日でしたが、和気藹々、楽しく過ごしました。


白蛇の置物やクリスマスリースなどは展示会までお見せ出来ませんが、どちらも、とても可愛く仕上がっています。
ご期待ください。

展示会が近づくということは、倶楽部の解散が近づくということです。寂しさはありますが、兎に角、やり遂げようという気概で、頑張っています。  

Posted by woolclub at 23:55
倶楽部活動

2024年10月19日

10月1回目のウール倶楽部開催

10月は2回ウール倶楽部が行なわれました。
1度目の倶楽部は10月4日、5日に開催。北海道 士別のサフォーク研究会とくるるん会の皆さんが、ウール倶楽部にお別れに来られる日でした。士別の皆さんとは交互に行き来をして友好を深めてきましたが、どういうわけか皆さんが来られた時は雨の日が多かったように記憶しています。


玄関には秋の定番、コスモスが活けられ、皆さんをお迎えします。


有志が数日がかりで工房の整理をしたり、以前編んだ作品を展示したりして士別の皆さんをお迎えする準備も整っています。

 


4日午後、士別の皆さんは田貫湖の国民休暇村に到着。夕方から馬飼野社長主催の懇親会が行なわれ、橋本先生や倶楽部員も出席しました。
馬飼野社長の挨拶から始り、サフォーク研究会会長の大野さんの挨拶、馬飼野牧場副社長からの挨拶、ウール倶楽部からは小山部長が今までの感謝の意を込めて挨拶をしました。






その後は和やかな雰囲気の中で、お喋りや食事を楽しみました。



2日目(5日)は、橋本先生によるハンドカーダーの使い方のレッスンです。意外に初歩的なことが出来ていないことに気付かされ、先生がおられる間に学ぼうと、苦手な人は特に頑張って教えていただいていました。








午前中に士別の皆さんは工房を訪れ展示を見学して下さいました。士別とは雰囲気の違う染めや作品に、興味を持っていただけるよう工夫した展示でしたが、楽しんでいただけましたでしょうか?




お昼は皆さんと共に工房のカフェでお弁当。富士市の「吉ト成」のお弁当で、長く切ったゴボウの唐揚げが人気です。


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今回の倶楽部訪問では、士別の皆さんから素敵なお土産をいただきました。沢山の染色羊毛です。士別の野山で採取したヨモギやセイタカアワダチソウ、イタドリなど。染色に使う大量の植物を採取するのは私達には難しく、なかなか染めにくい色です。特に、銅媒染は馬飼野牧場では出来ませんので貴重です。部員一同、大喜びで、有難く頂戴しました。
お礼として、初代B級グルメのチャンピオンに輝いた富士宮焼きそばをお送りしました。喜んでいただけましたでしょうか?





10月第1回目のウール倶楽部は士別の皆さんとの懇親会がメインのテーマでしたが、短い時間の中でハンドカーダーの使い方という初歩的なレッスンも組み込めたことはラッキーでした。倶楽部は12月までに、あと3回。残された時間で、教えていただかなければならないことを着実にこなしていく時間を見つけなければなりません。身が引き締まります。  

Posted by woolclub at 23:54
倶楽部活動

2024年09月07日

2024年9月のウール倶楽部

夏休み明けのウール倶楽部が9月6日(金)、7日(土)に開催しました。
9月7日から22日までを二十四節気では「白露」と言います。「露が降り、白く輝くように見える頃」という意味だそうで、夜の気温が下がり、空気中の水蒸気が冷やされ水滴になり葉や草花に付くようになります。即ち、朝露が下りる頃を指しています。そして、白露の前は、暑さが収まるという意味の「処暑」、白露の後は「秋分」です。日中は暑さが続きますが、朝晩は肌寒くなるということです。しかし、今年はなかなか、、、。未だに日中は酷暑という言葉がぴったりの高温多湿です。とは言っても、この暑さの中、庭にはシオカラトンボだけでなくアキアカネが群で飛ぶようになりました。夕方にはジーというアブラゼミの代わりに、カナカナカナ、、、、、、とヒグラシの鳴き声が聞こえます。そうです。酷暑から朝露の季節に変りつつあります。そんな季節の中で行なわれたウール倶楽部でした。

夏の名残の富士山です。さすがに、まだ雪はありませんが、どことなく夏の景色とは違う姿と感じてしまうのは気のせいでしょうか。


今回はクチナシブルーの染色の復習です。二つの鍋を使い、同時進行で酢酸を使い同浴で染める予定でしたが、酢酸が無かったため、クエン酸を使うことにしました。


水の入った鍋にクチナシブルーを入れています。


こちらはクエン酸。
クエン酸とぬるま湯をペットボトルに入れてシェイクして溶かしました。




1染目は基本どおりに染めました。とても綺麗なブルーが得られました。
まだ濡れた状態。これから乾燥させます。


こちらは乾燥した羊毛。


綺麗なブルーが得られて、皆さん満足気。解しも楽しそう。


乾燥し、解し終ったら早速カードかけ。


2染目の1鍋は、ちょっと変った染めにしました。
牧場に生えている雑草を摘んできて、残液の中に入れ、煮出して染液を作りました。羊毛を入れ、土曜日朝まで放冷しました。この方法は初めてでしたので、どんな色になるか楽しみ。




染め終ったら、水洗いして染液を洗い流します。ブルーの中にそこはかとなく緑を感じさせる気がします。


雑草+クチナシブルー染液で染めたのは「2染の左(鍋)」の羊毛。うっすらと黄味を感じさせる程度ですが、微妙なニュアンスがあって良いですね。


こちらは「2染の右(鍋)」で染めた羊毛です。こちらの方が青みが強い気がしますが、部分的かもしれません。カードをかけて均一化するとどうなんでしょうか?


今回のクチナシブルー染めは、雑草の生葉を追加するというお楽しみがありましたが、草木染めでは、それが良いにつけ悪しきにつけ、何らかのハプニングが付きもので、それがまた楽しみです。
染めている間に先生から展示会に向けての作品の紹介がありました。

以前、小澤先生デザインで編んだショールのアレンジ版。橋本先生の作品です。ピコットで縁取りし、三角の先端にお花をあしらいました。


染めの隙をみてカレーのランチ。お揃いのナプキンが可愛い、、、、(*^_^*)



もう9月。泣いても笑っても、12月まで残すところ2ヶ月しかありません。
残暑に負けず、気を引き締めて頑張りましょう。  

Posted by woolclub at 23:58
倶楽部活動

2024年07月27日

2024年7月2度目のウール倶楽部開催

7月後半のウール倶楽部は26日(金)、27日(土)に開催しました。毎年、8月の夏休みを前に、7月末に2日間のウール倶楽部を開催しており、今回はそのための2日間です。
25日から26日にかけて東北地方、特に、山形・秋田両県を中心に記録的な大雨に見舞われ、死者や行方不明者も出るほどでしたが、富士宮市の馬飼野牧場付近は晴れたり曇ったり、気温は熱中症が心配されるほどの暑さでした。富士山は夏特有の雲に被われ、僅かに山頂付近だけが姿を見せています。台風3号が熱帯性低気圧に変った影響で、ここ暫くゲリラ雷雨に襲われることもあるという気候の中での2日間でした。


先ずは、課題となっている小澤先生デザインのショールの進み具合のチェック。部員が苦戦している中、こちらは橋本先生作の2つのミニ・ショールです。
白のショールはチェビオットを使った単糸、ピンクの方はシェトランドの双糸で編まれています。ピンク系のものはコチニールの鉄媒です。更に縮重をすると、とても美しく仕上がります。


展示会まで4ヶ月。作品は勿論ですが、恒例のワークショップの準備も必要です。どのように準備したらお客様に喜んで頂けるか、楽しい思い出にしていただけるか?皆で考えながらフェルトボールや部品を用意します。


恒例のまだら君の訪問。合う度に成長して落ち着きも出てきましたし、毛もお洒落な色合いになってきました。素敵な毛糸が紡げそうです。

12月の展示会まで4ヶ月。ピッチを上げて頑張ります。
  

Posted by woolclub at 23:00
倶楽部活動

2024年07月10日

2024年7月のウール倶楽部

7月のウール倶楽部は5日(金)、6日(土)に開催しました。
5日、静岡市では気温34.7℃という危険な暑さでした。富士山はすっかり夏姿に変わり、麓に位置する馬飼野牧場でも下界ほどではないにしても、鬱陶しい不快な気温。そんな中、植え込みではアナベルの白い爽やかな花が目を引きます。ウール工房まで小高い丘を登ると額にじんわり汗がにじみますが、工房の中に入ると途端にヒンヤリした空気が肌に触れ、ほっと一息つくことができます。夏本番の2日間でした。




今月はいよいよ、小澤先生デザインのシェットランド・ショールを編み始めます。
シェットランド・レースはイギリス(正式名称:グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)のスコットランド北端に位置するシェットランド諸島で生れた繊細なレースです。シェットランド諸島は、新石器時代からその原種が生息していたと言われているシェットランド・シープの故郷として知られ、この羊達が提供してくれる柔らかで強度のある羊毛は、この諸島に2つの有名な棒針編みのハンドクラフトを誕生させました。フェア島が発祥とされるフェアアイル・ニットとアンスト島が主要生産地とされるシェットランド・レースです。
羽のように繊細なシェットランド・レースが最も注目された時期はヴィクトリア朝時代(1837-1901年)で、ロンドン万博(1851年)を機に世界的に知られるようになりました。
編み方の特徴は、全てガーター編みで編まれていること。模様は幾つかのパターンが組み合わされて編まれていることです。蜘蛛の糸のように細い糸で編む複雑な模様の編み方には難しいテクニックはあまりありません。細い糸で根気よく編むことが大切です。
現在では機械生産されているパターンもあるようですが、このレース編みには、人の手でしか編めないパターンも幾つかあるそうです。何故か誇らしくなってしまいますね。

小澤先生は倶楽部のために2種類のショールを提案して下さいました。マーガレットにもなる大判のショールとミニ・ショール。見本は、それぞれのショールが白と黄色で編まれています。
どちらもチェビオットで、白はナチュラル、黄色はマリーゴールドの鉄媒染です。糸を紡いだのは橋本花衣先生。同じパターンでも色が違うと雰囲気が全く異なります。部員はこの2種類のショールからいずれかを選んで展示会までに仕上げます。
こちらはミニ・ショール。初心者でも比較的編み易いデザインで、気軽に使い易い雰囲気もあります。




こちらはマーガレットにもなる大判のショール。
黄色と白ではやはり感じが違いますが、どちらもお洒落れ用でしょうね。




こんな風にボタンを付けたり紐を通したり、着方も工夫できます。


黄色のショールでは、縁編みがこんな具合に見えます。白いショールと随分雰囲気が異なります。


さあ、見本も編み図も出揃いました。後は編むのみです。

まずは編み図を見てじっくり編み方を研究してから始める人、取敢えず編んでみる人、、、それぞれのやり方で編み進めます。




糸や針の太さ、編み方(手が緩い人、硬い人)により出来上りの印象は随分変わります。
どんなシェットランド・レースが完成するのか、楽しみです。

今回も、サフォークとコリデールのミックス、「まだらちゃん」登場。
1ヶ月しか経っていないのに、大きく育っていました。羊毛は相変わらずまだらですが、育児放棄された仔羊とは思えないほど大きく立派になってきました。毛色も以前よりずっとお洒落になってきました。


今月のもう一つの話題は来年以降の倶楽部活動をどうするか、、、、でした。
橋本先生が20数年かけて築いたウール倶楽部を簡単に消滅させてしまって良いのか?
SDGsが叫ばれる昨今だが、倶楽部が発信してきた羊文化はSDGsの面からも考えて行かなければならないのではないのか。
SDGs17種類の目標のいずれかに合致するのではないのだろうか? 
一例を挙げれば、「13、気候変動に具体的な対策を」。大気汚染の元になる汚毛の焼却を避け、羊毛を生活に生かすことは地球を救う13番目の目標に合致するのではないのだろうか? 鼻糞ほどにも満たないかもしれないけれど、ほんの僅かばかりでも対策の一つになっているはずです。
その他、「15、陸の豊かさを守ろう」、「3,すべての人に健康と福祉を」、、、、私達の活動は小さなものながら、様々な項目にピントが合っているような気がするのです。
果たして、倶楽部を消滅させてしまって良いのか? 
悔いのないよう、皆でしっかり悩んでいます。

  

Posted by woolclub at 23:45
倶楽部活動

2024年06月08日

2024年6月のウール倶楽部

6月7日(金)、8日(土)の両日、ウール倶楽部を開催しました。
当日は気温24℃、晴れ。ヤマボウシやカルミアが花を付け、ジューンベリーが実を付けた梅雨の前の穏やかな1日でした。







今月の倶楽部では染色がメイン・テーマ。コチニールを多様に使い、2つの寸胴鍋で6kgの羊毛を染めます。
先ず、200gのコチニールを布袋に入れて約40分ほど煮だしてから取り出して砕いたらもう一度鍋に戻して30分ほど弱火で煮出し染液を作ります。

冷蔵庫に保存しているコチニール染液を沸騰させ、その中にここで作ったコチニール液を加えて新たな染液を作ります。


こうして作った染液を2つの大鍋(右鍋と左鍋)に分け、酢酸を両鍋に50ccずつ加えます。
これらの2つの鍋に羊毛を1kgずつ入れ(同浴染め)ます。
右鍋には酢酸30ccを加えて天地返しして弱火で1時間煮、火を止めて冷めるのを待ちます。
冷めたら取り出し、洗って乾燥させます。




放冷後に取り出して洗い、解します。




こちらが染め上がった右鍋の1染目。


左側の鍋には染液と酢酸30ccを入れた染液に羊毛1kgを入れて天地返しをし、火を止めて1時間放冷した後、鉄60ccを追加し、10分後に羊毛を取り出します。
染め上がりは右鍋より紫系に近い色でした。


1染目を放冷している間に、別の小さな鍋に布袋に入れたコチニール100gを入れて、前述のコチニールの煮だし方同様に煮だして新たな染液を作っておきます。

このようにして、2染目、3染目は残液にコチニール染液を加えた染液で染めますが、新たに加えるコチニール液や酢酸の量を調整したり、煮たり放冷する時間を変えるなどして様々な色を作り出します。








今回は合計6kgの羊毛を染めましたが、染液の濃度や加える媒染剤の濃度、熱を加える時間などの調整により、魅力的な色が得られました。染色で得られる色は一期一会と言いますが、「これは!」という色にはなかなか出会えないものです。大変な2日間でしたが、得がたい日でもありました。

染色と平行して、双糸の紡ぎの再試験、単糸の紡ぎの指導も行なわれました。
また、羊の「まだらちゃん」が部室を訪問してくれました。前回より大きく、大人っぽくなっていてびっくり。落ち着いた薄茶系の体と濃茶の頭部がとてもお洒落な「まだらちゃん」でした。素敵な羊毛を提供してくれそうです。



6月。今年の半分が過ぎつつあります。
ウール倶楽部は今年で幕を下ろさねばなりませんので、倶楽部員は皆、染色も紡ぎのレッスンも真剣です。こんなことなら、もっと前から頑張れば良かったのに、、、と、残念に思うこの頃。「後悔先に立たず」ですが、部員一同、これから後の数ヶ月を悔いの残らぬよう頑張るつもりです。  

Posted by woolclub at 23:11
倶楽部活動

2024年05月12日

2024年5月のウール倶楽部

5月のウール倶楽部は10日(金)、11日(土)に開催しました。天気予報によれば午前中は気温が低く日中暖か、、、ということでしたが、富士山麓の馬飼野牧場では朝から肌寒く、ストーブが欲しい1日でした。1年は早いもの。つい先頃お正月、、、と浮かれていたのに、もう5ヶ月も経ってしまいました。富士山頂の雪も日毎に少なくなり、紺青の富士の季節に移りつつあります。夏はすぐそこまで来ています。

牧場では毎年5月に「鯉のぼり」ならぬ「牛のぼり」を揚げますが、今年も賑やかに鯉や牛がお客様をお迎えしています。




今回は、展示会の話合い、双糸の紡ぎ方の試験を中心に倶楽部が進行しました。


先ずは、完成した橋本先生作のベストのお披露目。
グレーの地に草木染めの優しい色合いを組合わせたフェアアイル。胸から下はフェアアイル柄が施され、胸から肩までは2色交互の単純な編み地。この部分が全体を引き締める効果的な役割をしてくれています。先生の作品が紹介される度に毎回思うことですが、多色使いなのに煩くなく、ふんわりと優しい雰囲気が溢れています。オレンジの隣に空色があっても鬱陶しくなく、沢山の色がお互いを邪魔することなく穏やかに収まっている。これが草木染めマジックなのでしょうか? そう言えば、NHKテレビで放映中の「光る君へ」にも登場しますが、十二単衣のあの重ね着の色使い、、、。草木染めの時代だからこその発想だったんでしょうね。






単糸の紡ぎ方も大切ですが、双糸の紡ぎ方も重要です。今日はその試験がありました。殆どの部員は合格でした。来月追試だったメンバーも先生に手ほどきしていただき、1ヶ月練習したら、きっときれいな双糸ができるようになる、、、はずです?ガンバレー!!


先月玉ネギの皮で染色した羊毛のカードかけ、6月に予定している染色用羊毛の準備もみんなで手分けして行ないます。汚毛を綺麗に掃除して染色できる状態にするのは大変な作業ですが、全員で行なえば、、、、お喋りと共に手も動かして、作業も楽しく捗ります。







今回の倶楽部では12月の展示会の話合いが主要なテーマでした。
12月、、、まだ先のことと思いがちですが、数えてみれば残すところ半年。自分の作品を作りつつ、小澤先生の講習の作品作り、展示やワークショップの準備等々、、、、。やることは山ほどあります。
ウール倶楽部は馬飼野牧場での羊文化発信の役割を担い、SDGsが叫ばれる昨今では、その役割も担ってきたと自負してきました。残念ながら、こうした役割は今年で終了となります。今年の展示会では、今までウール倶楽部が行なってきたことの集大成をお見せしなければなりません。
12月まで、気を引き締めて進むことを申し合わせました。  

Posted by woolclub at 11:30
倶楽部活動

2024年04月06日

2024年4月のウール倶楽部

4月のウール倶楽部は5日(金)、6日(土)に開催されました。遅い春の今年、4日は初夏のような温かな日だったのに5日は雨降りで朝から気温が上がりません。咲きかけの桜の花はどうなってしまうのか心配な天候でしたが、6日(土)は何とか晴れて前日より温かな春日和でした。富士山の雪も大分溶けて地肌が少―し見えるようになってきました。


富士山麓の馬飼野牧場では桜が満開を迎えようとしています。




ミツマタ、水仙、椿、石楠花、、、等、場内のあちらこちらで春の花が見られます。









今日の予定は玉ネギの染色とフェアアイルのスティークの処理の仕方の説明です。
先ずは染色から。
10:20時点で温度13℃、湿度70%。どんな色が得られるか楽しみです。
まずは染液の準備。玉ネギの皮は牧場のレストランのスタッフさんが用意して下さいました。レストランでは毎日沢山の玉ネギを使いますので皮は山ほどあります。が、これを貯めておいていただくことは、余計な仕事になりますから面倒なこと。倶楽部のためにご協力いただき有り難うございます。


玉ネギの皮を煮る傍らで羊毛を先媒染します。


染液が出来たら先媒染していた羊毛を入れ、沸騰しない様に温度を保ちながら暫く煮ます。


色具合をチェックし、良い具合に染まっていたら、


羊毛を取り出して


洗います。


残った染液に水を足し、新たな玉葱の皮を加えて2染目の染液を作ります。


この後、2染目を染め、3染目と3染目の先媒染を放冷し、金曜日の染色は終了です。
6日(土)に2染目の解し、3染目の洗いと解しをしました。



乾燥中の2染目と3染目




結局、1日目は1染目の染色、洗いと解し、2染目の染色と洗い、3染目の染色、4染目の先媒染(共に放冷)をし、金曜日の作業は終了です。
6日(土)には解しにくかった1染目の残りと2染目の解し、3・4染目の染色をし、3染目の解しが完了しなかった分は出席した部員がそれぞれ持ち帰り、自宅で行なうことになりました。

先生の講義もありました。
先ずは北欧風模様の帽子の紹介。グレーと白の比較的簡単な模様の組み合わせで形も複雑ではないため、編みやすい作品です。かぶった感じも何気なくて良い雰囲気。




こちらはフェアアイルの作品の制作途中。淡い綺麗な橋本先生らしい色使いです。沢山の色を使っていますが、決して煩くなく、優しいホッとする雰囲気があります。また、胸から上は単純な模様の組合わせで、落ち着いた感じです。草木染めの場合はどんな色を組合わせても落ち着いた感じになると先生は仰いますが、私達には色の選び方はなかなか難しく、先生の作品を見せて頂く度にため息が出ます。
身頃が編み終わったところで、袖を付けようかベストにしようか迷っておられるそうです。フェアアイルのジャケットはとても豪華で素敵ですが、前開きのベストも便利で使い勝手がよいものです。迷いますね。



スティークの部分から前立ての目を拾う方法の説明。地の編み目を拾う方法もありますが、編み目の部分から別糸で目を作り出していく方が綺麗に出来るというお話しがありました。確かに、編み目をそのまま拾ってしまうと、糸が吊れて綺麗な仕上がりにならないですね。


ウール倶楽部は今年12月の展示会をもって幕を閉じることになりました。そのため、この1年間で今までの総復習をしようとして下さっているため、時間を有効に使わなければなりません。羊毛洗いや染色の合間に講義や紡ぎのレッスンが組み込まれます。ウール倶楽部では、橋本先生を中心に、今まで以上に充実した貴重な時間を過ごしています。

羊担当のTさんと共に可愛いお客様がありました。先月ご紹介したサフォークとコリデールのミックス、親羊に育児放棄された「まだらちゃん」。先月に比べ大分大きくなっていましたが、Tさんの後をちょこちょこついて歩いてとても可愛い。相変わらず、帰った後には“落とし物”がありました。



能登半島地震の恐怖の記憶が薄れる間も無く、4月3日には台湾東部でマグニチュード7.2、震度6強の地震が発生しました。今年は1月からご難続きでしたから、4月こそは何事も無く、、、と期待していたのですが、またまた自然災害の発生。気候は次第に春らしくなり、桜も開花し、今年生まれた仔羊も無事育っているのに、自然災害は減りません。いつ襲ってくるか分からない災害、自ら身を守ることが重要です。災害への備えはできていますか?
  

Posted by woolclub at 11:09
倶楽部活動

2024年03月02日

2024 年3月のウール倶楽部

3月のウール倶楽部は1日(金)、2日(土)に開催しました。能登半島地震が発生してから2ヶ月が過ぎました。現地では復旧の路は遠く、住民の生活、そしてそれを支える漁業や農業、輪島塗りに代表される工芸などの産業の迅速な復興、それに対する政府初め各方面からの支援が叫ばれます。春はそうした大変な地域にも訪れ、日一日と暖かな気候に変ります。富士山はまだまだ深い雪をかぶっていますが、これから徐々に雪解けの姿が見られるようになります。


ここ馬飼野牧場でも場内のあちらこちらで春を感じさせる自然にお目にかかります。
例年ご紹介しているミツマタが、早々と淡いクリーム色のフワフワした花を咲かせています。今年7月3日、ミツマタを使った新しいデザインの紙幣3種類が発行されます。



先生が到着される前、皆で4月の染色用羊毛の解し(写真下)と次回の汚毛処理作業を行ないました。


また、前回の染色(マリーゴールドとコチニール)について、染色データを使って説明や反省も忘れず話合いました。
橋本先生からは、7月に予定されている小澤先生の講習会で使われる糸の紹介がありました。
どちらもチェビオットの羊毛を丁寧に手紡ぎしてくださった単糸です。白はナチュラル、ベージュ系はマリーゴールドの鉄媒染です。この糸を使って、小澤先生に見本を編んで頂きます。どんな作品が出来上がるか楽しみにしましょう。


こちらはウオーグ学園心斎橋校の生徒さんの作品です。手紡ぎで繊細な単糸を紡ぎ、丁寧に編まれた力作です。


こちらはジェイミソン&スミスの1plyコブウェブで編んだショール。倶楽部員のSさんが、手紡ぎ糸で編む前に、糸の細さ、張り具合い等を比較したくて編んでみたのだそうです。手紡ぎではないレース用糸で編んだらどうなんだろうと、本を見ながらよく思いますが、実際に試してみるだけの余裕もないのが現状。彼女の研究熱心さには感心します。


午後からは、汚毛処理をしている間、単糸を紡ぐ特訓です。


先生から「合格!」を頂くと、皆さん、ホッとして笑みが出ます。
ある部員さん曰く、「何度も教えていただいていたのに、遅ればせながら、少し理解出来ました。まだまだ、頭と手が繋がらないところもありますが、今年いっぱい、頑張ってやってみます」
紡ぎも染色も、何もかも、先生が来られなくなれば自分で判断しなければなりません。みんな、自立を目指して真剣です。

羊担当のTさんが羊の赤ちゃんを連れてきて下さいました。サフォークとコリデールのミックス。親が育児放棄した赤ちゃんを自宅まで連れ帰ってお世話しているのだそうです。Tさんをお母さんと思っている様子です。
肩からお尻にかけて白黒のブチで、遠くから見るとグレーのよう。とってもお洒落でセンス抜群の仔羊、ブチちゃん。大人になったら白になる(?)ような、、、。
部室でひとしきり遊び、2度ほどおしっこをお漏らしして、Tさんの後にチョコチョコくっついて帰って行きました。
動物は決して裏切らない。だから可愛いい。だから愛らしい♡♡♡




土曜日、授業を始める前に、牧場内の畑に菜の花摘みに出かけました。
真っ黒な土の上に大きな菜の花の株が沢山植えられており、茎の先端にはチョコチョコと黄色の花が咲いています。
「とう菜」と呼ばれる若い菜花の部分は茹でていただくと甘味が強く、しかも採れたての新鮮ですから絶品です。


暖かな春の陽光の中で、みんなでせっせと菜の花摘み。ポリ袋に入りきれないほど一杯摘んだ人もいて、、、。楽しい楽しい思い出です。

 



自然災害や航空機事故、政治の世界では金の問題等々、沢山の暗いニュースで溢れた2024年初頭。ここに来て一転、お目出度いニュースが飛び込んできました。
今年から大リーグのドジャースでプレイすることになったスーパースター大谷翔平選手が、日本人女性と結婚したことを発表しました。もっとも、発表されたとはいっても相手が分からないまま。他人事なんだから誰でも良いだろうとは思うのですが、どういうわけか、喉に骨が刺さったかのように、気になってしかたありません。春の陽気の中、日本中がのどかな心配ごとを、ほんのひと時の癒やしとして楽しんでいる昨今です。4月は穏やかな桜の季節、平和な話題をお届けしたいものです。
  

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倶楽部活動

2024年02月04日

2024 年2月のウール倶楽部

2月のウール倶楽部は2日(金)、3日(土)の2日間開催しました。
雪化粧した富士山と手前の広場に見える土の盛り上がり。春を目前にした恒例の風景です。前日の暖かさから一変して寒い1日だった2月2日。富士山は雪をかぶって冬らしい姿を見せています。一方、森の家の前の広場では異変が。枯れ草の上のあちらこちらで土が盛り上がっています。モグラが土を掘り起こしたようです。生物は季節を感じるのに敏感です。 もうすぐ春ですねエ~♪


また、2月3日は節分。牧場にはこんな看板が飾られていました。


こうした楽しげな光景を見るにつけ、1ヶ月を過ぎてもまだ遅々として復興作業が進まない能登半島地震被災地に思いを馳せてしまいます。被災地では苦しい日々が続いています。被災した人々に早く日常の生活が戻るよう祈らずにはおられません。今自分に出来る最も効果的な方法は何か、考えてみましょう。

さて、今月の倶楽部の報告です。
1月の課題だったフェルトのブローチ。
刺繍やビーズなどで飾り、素敵なブローチができました。


今月の課題はマリーゴールドとコチニールを合体させた染色です。
まず、コチニールを袋に入れて鍋で煮出します。その後、袋を取出し袋に入れたままのコチニールを潰します。ウールの場合、煮出す前に粉にすると、粉がウールに付着して取れなくなるためにこのような方法をとります。十分に水分を含ませてから潰すと、粉が出ず美しい色が得られます。
今更ではありますが、コチニールとは、中南米でウチワサボテンに寄生するカイガラムシで、その色素は染色だけでなく食品添加物や口紅、頬紅などの化粧品に使われます。今回は乾燥したコチニール・カイガラムシを使いました。


こちらはマリーゴールドを冷凍保存したもの。


こちらも別鍋で煮出します。




マリーゴールドの染液


コチニールの染液


マリーゴールドとコチニールの染液を混ぜ合わせた染液


マリーゴールドの花(かす)は捨てます。


1染目の染め上がりです。




早速解す準備です。


2染目は明朝まで放冷します。

2日目
2染目を解します。




3染目は薄い卵色のような優しい色になりました。

染色は簡単なようでとても繊細かつ難しい作業です。
データを見ながらやれば簡単に誰でもできるという方もいるようです。どんな色でも良いから、兎に角染まれば良いという類いの人達にとってはそれでも良いでしょう。しかし、こんな色を染めたい、あんな色を染めたいと、自らが思い描く色を染め出すことは大変難しい。染料や助剤の関連だけではなく、その時の温度や湿度、水の状況、そして羊毛の性質など様々な要因が大きく影響し、なかなか適確な色を出せないのが実際なのです。京都の「染司(そめのつかさ)よしおか」の憲法黒の微妙な色を植物染めで出すことの困難さはあまりにも有名な話です。微妙な色を私達素人が染めるのは勿論無理なのですが、それにしても、データーさえあれば染めなど簡単にできるという安易な考え方にはとうてい納得できません。染めは、長い勉強と経験、それに感性など、様々な要因が影響されるものです。橋本先生が来られなくなり、倶楽部が解散した後、各自が自宅で染めをするためには、これからの11ヶ月をしっかり学ぶ必要があります。頑張りましょう。

染めの合間を縫って、紡ぎの練習も欠かしません。
ロングドローによる単糸の紡ぎ方は誰もが苦手とするところ。レース用の単糸は細く、しかも綺麗に、切れないように紡がなくてはなりません。先生自らのデモンストレーションで学びます。
これは貴重ですよ。皆さん、ビデオに収めたでしょうか?


紡毛と梳毛の違いに悩んでいたHさん、今日は先生から手取り足取り(?)のレッスンを受けます。
皆さん意欲的。真剣そのものです。



それにしても、先生自らのレッスンはこの先いつまで受けられるのでしょう。残された時間が少ないと思うと、自ずと熱心になってきます。そして、その時間の短さを考えるだけで感傷的になってしまいます。

今年いっぱいで姿を消すウール倶楽部では、呑気なことは言っていられないのですが、そこは倶楽部員のこと、部員一同、今月も真剣且つ熱心に、しかも和気藹々と楽しく課題に取り組んでいました。  


Posted by woolclub at 01:00
倶楽部活動

2024年01月13日

2024年1月のウール倶楽部

「謹賀新年」と書きたいのは山々ですが、こうしたお目出度い言葉を使うことがはばかれるほど、2024年の年明けは酷いものでした。1月1日、最大震度7の地震が石川県能登半島を襲いました。地震学者が「1000年に一度の地震」と位置づけするほどの酷さで、被災地では懸命の救援活動が続いていますが、被害の全容は未だ確認できていません。また、同日、羽田空港では滑走路上で日航機と海上保安庁の航空機が衝突、海保関係者5人が死亡するといういたましい事故がありました。天災、人災に関わらず、被災された皆様、関係者の皆様に心よりのお見舞いを申し上げ、1日も早い復興をお祈り致します。
さて、2024年度はウール倶楽部にとっても大変重要な年です。倶楽部は一昨年創立20周年を迎え、今年で22年目になります。ご指導いただいている橋本先生が倶楽部を設立するまでに3年の準備期間が必要でした。また、今は亡き馬飼野会長から「羊から作品になるまでの工房を作って欲しい」とのご依頼を頂いてから2年が必要だったそうです。ウール倶楽部は橋本先生が心血を注いできたものです。しかし、「始めあれば終わりある」と言われるように、およそ25年間、羊文化発信を担ってきたウール倶楽部も、残念なことに今年をもって幕を閉じることになりました。この一年間は今までの総復習とやり残した事を仕上げる年として、悔いが残らないよう真剣に、1日1日を大切に活動する所存です。
今年も宜しくお願い致します。

様々なことがあった年明けですが、富士山は相変わらず雪を頂き美しい姿を見せてくれました。


さて、今年の最初の行事は、総会と新年会。
総会では今年の目標や講習会等も話し合われ、活動テーマを「羊からのおくりもの」と決めました。部員各々が羊に思いを寄せながら、紡ぎや染色、編物など、最後の1年間を有意義な年にできるよう頑張ろうと話し合いました。
また、今年は例年とは異なる講習方法を行なうことも決定。講師は以前からお世話になっている小澤先生。単糸の作品を教えていただきます。先生が出張できない場合、編み図と見本のみお願いし、各自が編み図を見ながら作品を作るという講習方法をとることにしました。上手くいくと良いのですが、、、。ちょっとばかり不安ものぞきます。


総会の後は新年会。今日はちょっと特別な牧場のお弁当と、恒例のAさんのスモークサーモンやいちごなど。豪華なランチになりました。




今年1回目の授業はフェルトのブローチ作りです。
プラスチックの土台に各自好みの原毛を貼付け、ビーズや刺繍をしてデコレーションします。新春らしい楽しい作業です。






13 日には牧場に能登半島地震の募金箱が置かれ、支援活動が始ったのを機に、静岡朝日TVの取材がありました。取材を受けるKさんとKさん 。倶楽部員も早速、募金に協力しました。




倶楽部がなくなることはとても残念なことです。
15周年記念の展示会には、倶楽部の生みの親である、馬飼野牧場の亡き会長さんがいらして下さり、「私の夢がかなった」と涙を流して喜んで下さいました。また、講習に来て下さった広瀬光治先生からは「羊の汚毛から染色、紡ぎを経て作品を作り上げる、他にはない貴重な存在」とお褒めの言葉をいただきました。ご指導いただく橋本先生の下、私達は最後の一年をしっかり学び、貴重な羊文化の発信元であるウール倶楽部をより一層素晴らしい倶楽部に育て上げ、12月の最終章を迎えることができるよう頑張ります。  

Posted by woolclub at 23:30
倶楽部活動

2023年12月11日

2023年ウール倶楽部展示会終了

第21回ウール倶楽部展示会は12月10日(日)、無事終了致しました。
会場にお越し頂いた皆様、展示会開催にご協力頂いた皆様、どうも有り難うございました。
倶楽部員一同、作品の制作だけでなく、展示の準備から会場の設営まで頑張りました。
今年度のウール倶楽部は、これをもって来年1月まで暫くお休み致します。

今年も自然災害や病気の流行など、様々なことがありましたが、来年はどんな一年が待っているのでしょうか。
ウール倶楽部は昨年創立20周年を迎え、今年21年目を終了しつつあります。富士山の麓の馬飼野牧場で、汚毛から作品までを実践する日本でも数少ない貴重な団体として、これからの1年、1年は、粛々と私達のやるべき事を勧める所存です。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。

2024年度が良い年になりますように!!
  

Posted by woolclub at 22:00
倶楽部活動

2023年12月08日

2023年ウール倶楽部展示会続報

まかいの牧場ウール倶楽部 第21回展示会の1日目が無事終了しました。
工房内の様子をザッとご紹介しましょう。

工房への入口で展示会開催をお知らせしています。


玄関を入って右手、まず最初にお客様をお出迎えするのは羊毛のオーナメントで装飾されたクリスマスツリーや暖かな羊毛を身にまとった2頭の木製羊。


左奥には毎年恒例、橋本先生による生け花。部員がお世話になっているS様のご好意で、お庭の植物をご提供いただきました。木の実の赤が華やかすぎず派手すぎず、落ち着いた感じに活けられていて素敵です。


受付け横にはヴォーグ学園心斎橋校様から頂いたお祝いのお花。毎年お気に掛けて頂き有り難うございます。


ここからは作品の展示。
奥のホールを見渡すと、こんな具合です。


手前には、こちらもお手製のオーナメントを飾ったツリーを置きました。


ホールに入って先ず最初に目に付くのはベストの展示コーナー。広瀬先生をお迎えしての講習会で教えていただいたものです。先生の課題はとても難しく、ハードルが高いものでした。完成した人、制作途中の人、まだまだやっと1合目程度の人、、、と様々です。難しかったけれど楽しいひと時でした。広瀬先生、有り難うございました。「羊の汚毛から洗い、染色し、糸を紡ぎ作品にするという工程を完結しているのは素晴らしい。日本中を見渡してもこうした事を行なっている倶楽部は珍しい。とても貴重な存在です。」とお褒めいただき、部員一同、ちょっと誇らしげでした。これも一重に馬飼野牧場の皆様のおかげです。



広瀬先生コーナーの上には優しい色使いのショールと白のショールを吊りました。
大変な作業でしたが、長いこと欠席していた男性部員が助っ人に来てくれました。男手が必要なときに「はいよッ」と協力してくれる、こういう隠れ部員がいることもウール倶楽部の強みです。お仕事、お忙しいのに、有り難うございました。


奥にはセーターやベスト。力作揃いです。




券売所を見下ろす窓際には繊細な模様編みのショールやセーター。




反対側の壁際には、帽子やバッグと共に部員全員で作成したアラン模様のサンプルが飾られました。






作品の展示の他、様々な羊の羊毛や染色データ、アラン模様についての解説なども展示しています。
更に、毎年恒例のワークショップ。今年はフェルトボールでクリスマスツリーを作ったり、ニードルフェルトのサンタクロースや雪だるま、鏡もちつくりなど楽しんでいただけるコーナーも設けました。
羊を身近に感じられる楽しいひと時をお過ごしいただけます。
展示会は日曜日までの開催です。皆様のお越しをお待ちしております。  

Posted by woolclub at 23:55
倶楽部活動

2023年12月08日

2022年12月ウール倶楽部 展示会

まかいの牧場ウール倶楽部第21回展示会が12月8日(金)始りました。
今回のテーマは「アラン模様との出会い」です。

玄関には恒例の橋本先生による野の花を使った迎え花が飾られ、お客様をお迎えします。


会場には今、話題のアラン模様の作品を中心に編み図や解説、今年度学んだ染色データ、広瀬先生の講習で教えていただいたベストや繊細なシェトランドレースのショール等々、、、1年間の成果が披露されています。


展示会は10日(日)まで、10:00~15:30(入場は15:00まで)開催されています。
皆様のお越しをお待ちしています。


  

Posted by woolclub at 14:30
展示会

2023年11月25日

2023 年11月第2回目のウール倶楽部

11月24日、25日の2日間、11月第2回目のウール倶楽部を開催しました。
金曜日夕方から急に寒くなるという天気予報が当たり、日中は暖かだったものの夜には急に気温が下がり、ところによっては雨も降ったようでした。今回は12月の展示会を目前にして、飾り付けの最終チェックやらワークショップの用意やらで、忙しい2日間を過ごしました。

ちょっと前までほんのわずかしか雪が無かった富士山に、そこそこの降雪があり、冬バージョンの装いに変りつつあります。


牧場の木々の葉も黄色が目立つようになりました。
こうして見ると、空がとっても高くみえます。本格的に短い秋に突入したと思う間も無く、すぐに冬に変って行く気配です。


展示会まであと2週間。今回の倶楽部は展示会の準備がメインです。
皆で手分けしてワークショップのキット作りに追われます。


桜の枝を小さく切って、、、さて、何に使われるのでしょうか?
そう、ワークショップで作るクリスマスツリーの幹になります。


松ぼっくりや羊毛で作ったポンポン、ドライフラワーも使われます。何が出来上がるのかお楽しみです。


先生も今日は展示会の飾り付けのお手伝いをして下さいました。ローズマリーやローレルの枝を纏めてスワッグを沢山作って、会場に飾ります。


労働の後はランチ。美味しそうなお弁当です。海老が乗ったいなり寿司、栗ご飯、鯖の味噌煮、サラダ、小松菜の辛子和え、若布、それに茄子の味噌汁と、豪華なメニュー。ダブルKさんのお手製です。私も頂きたかった。



一息入れ、午後も頑張りました。
さて、展示会のワーックショップの内容をちょっとお知らせしましょう。


今年はこんな可愛いクリスマスツリーやサンタさんを企画しました。雪だるまや鏡餅もあります。
ご自分で直接羊毛に触れ、無心になって挑戦する一時をお楽しみ下さい。
★スケジュール(クリスマスツリー、雪だるま)  
12月8日(金)/10:00~11:30、12:00~13:30
12月9日(土)/10:00~11:30、12:00~13:30、14:00~15:30
12月10日(日)/10:00~11:30、12:00~13:30
★価格
 クリスマスツリー:1200円
 雪だるま:800円
 鏡餅:800円
 サンタクロース:1000円

第21回まかいの牧場ウール倶楽部 第21回展示会は12月8~10日の3日間開催されます。
沢山のお客様と会場でお会いできることを楽しみにしております。


  

Posted by woolclub at 23:00
倶楽部活動

2023年11月12日

2023年11月第1回目のウール倶楽部

3、4日前までは夏日かと思えるほど高い気温でしたが、ウール倶楽部当日の10日(金曜日)は朝から気温が下がり、翌11日(土曜日)は更に低く、冬に突入してしまったような様子。富士山を仰ぐ牧場の風景もどんよりした冬景色に変わりつつあります。11月ですから当然と言えば当然ですが、今までが季節外れの異常気温でしたから、なかなか体がこの急激な変化に追いついていけません。




花壇のインパチエンスも夏の勢いはなく、どこか寂しげ。


さて、今月の倶楽部は、12月の展示会を目前にして、準備作業が中心。提出物としては、今年のテーマのアランの作品、広瀬先生の講習会で教えていただいたベスト、、、、、等々。ワークショップでお客様をお迎えするための見本やキット作りも今月の重要な作業の一つです。

こちらは広瀬先生の講習で教わったベスト。それはそれは繊細で広瀬先生らしいデザインですが、部員にとってはとても難しい。でも、編物が得意なHさん。さすがです。白のベストをきちんと完成させました。素晴らしい!


展示会ではフェルトボールや松ぼっくりで飾る小さなクリスマスツリーとニードルフェルトの雪だるまやサンタさんのワークショップが予定されています。

こちらは、見本作りやキット作りに急がしい部員達。


テーブルの上にはワークショップで使う細々とした材料が山積みされています。


こちらはクリスマスツリーに使う小さな松ぼっくり。フェルトボールの間に飾って素朴な感じを演出してくれます。


出来上りはこんな具合い、、、。可愛いでしょう? フェルトボールの大きさや色の組合わせ、松ぼっくりや栴檀(センダン)の実の飾り方で、自分だけのツリーが完成します。




まかいの牧場ウール倶楽部第21回展示会 
「アラン模様との出会い」

が12月8日(金)~10日(日)に開催されます。


*ワークショップのスケジュール
 (クリスマスツリー&雪だるま)
  12月8日(金)
    10:00~11:30
    12:00~13:30
  12月9日(土)
    10:00~11:30
    12:00~13:30
    14:00~15:30
  12月10日(日)
    10:00~11:30
    12:00~13:30
 (価格)
  クリスマスツリー:1,200 円   
  雪だるま     : 800 円
  鏡餅       : 800 円
  サンタクロース :1,000 円
    (雪だるまはほかに、鏡餅とサンタクロースもあります)

今年度のテーマであるアラン模様を編み込んだ作品を中心に、広瀬先生の講習で学んだベストなど多数が出品されます。また、アラン模様や染色についての解説の展示、羊毛を使ったワークショップや紡ぎ車による手紡ぎのデモンストレーションなどの催しも予定しております。


晩秋の一日、沢山の皆様にお越しいただき、羊毛と共に穏やかな時をお過ごしいただけますと幸いです。
  

Posted by woolclub at 02:00
倶楽部活動

2023年10月15日

2023年9月のウール倶楽部

防災の日の9月1日と2日の両日、9月のウール倶楽部を開催しました。
台風は10号が29日には温帯低気圧に変わり、9号は中国の華南の方に向っていきました。11号は石垣島の南、12号は小笠原近海にあり、静岡県は暫くの間、平穏な状態にあります。ただし、気温は30℃越え、猛暑の夏に変わりはありません、、、、が、更に酷暑続きの京都にお住まいの橋本先生にとって、富士宮の夜は過ごしやすかったとか。田貫湖の休暇村で、久々にクーラーをかけずにお休みになられたそうです。

9月に入ってもまだ夏姿の富士山。

さて、今月の倶楽部は先生の講義から始まりました。
ニット製造の先駆者である英国でのニットウェアの話。
フェアの白と精神を愛する英国のスポーツマン達が純白のウェアを着用したことから、スポーツのユニフォームに白が多いとのこと。機械編み機の考案はケンブリッジのセント・ジョーンズの神学生だったこと、その結果、ニット製造は英国が先駆者だったこと、英国の羊のこと等々。英国で生まれたセーターを学ぶ前に、英国の羊達のことを知る必要があること等々。心に響きました。
それと、日本で最初に羊を飼ったのは平賀源内だったそうです。

白のセーターと言えば、興味深い話があります。
今年のテーマであるアラン模様のセーターも白が多い時期がありました。
アランセーターの起源は諸説ありますが、20世紀初め~中頃、アイルランドのアラン諸島で、ガーンジー模様のフィッシャーマンズセーターを基に、島民が作り出したものという説が主流のようです。このアランセーター、現在では様々な色で編みますが、ガーンジーとアランの過渡期には、紺など濃い色や乳白色が多く使われたそうです。しかし、島の女性達の間でこのセーターが盛んに編まれるようになった頃、母親達は自分の息子のミサや聖餐式での晴れ着用に白のアランセーターを編むことを思いつきます。そして、子供達が着ている姿を見て、大人用の白のアランセーターを編んでダブリンのショップで売ることを提案する人も出てきました。今度はショップのディスプレイに目を付けた人も出てきて、、、、という具合に次第に広まって行き、いつの間にか”アランセーターは白”となったようです。
そのずっと後で、日本にアランセーターが入ってきた時代にも白が主流でした。「アイルランド/アランセーターの伝説」の著者である野沢弥市朗氏によれば、日本で最初にアランセーターを着た人(本の中では特に記載はありませんでしたが、一般人の中には着ていた人もいたかもしれませんので、”最初の有名人”だったかもしれません)は、伝説のレーサー式場宗吉氏だったそう。因みに、そのセーターはパリのディオールの店で購入したもので、カシミア製だったとか。

ちょっと横道にそれてしまいました。
倶楽部では講義の後、先生が編まれたアランベストと帽子のお披露目。


ベストは身頃のセンターに大きな柄入り、ゴム編みは一目のねじりゴム編みです。帽子は総柄です。羊はチェビオット、色は白。スッキリ着こなせそうです。

更に、10月の広瀬先生の講習会で編む作品が完成し、紹介されました。
来月の講習会までお見せできませんが、広瀬先生らしく、繊細でとても素敵なデザインです。でも、私達にとっては途方も無く難しそう。2日間の講習で、大丈夫でしょうか?ちょっと心配そうな倶楽部員達です。

また、各自、講習用に紡いだ糸を橋本先生にチェックして頂きました。

どちらも、もう一息。ガンバッテ!!

さて、今日は宿題に出ていたアラン模様のサンプルの回収日です。
皆さん、きちんとお約束を守り、提出してくれました。ここではチラッとお見せしますが、12月の展示会には綺麗にレイアウトして飾り付けします。また、展示会では羊毛や紡ぎ、染色、アランの様々な情報も発信します。


今年は異常気象。暦の上では9月というのに未だに30℃越えが続く毎日。でも、これに参ってばかりはいられません。12月第1週目に予定されている展示会まで正味3ヶ月しかないのです。部屋を冷房全開にして作品と展示品造りに励みます。
ご期待下さい。
  

Posted by woolclub at 23:56
倶楽部活動

2023年10月15日

2023年10月のウール倶楽部

10月のウール倶楽部は13日(金)、14日(土)の両日開催しました。
酷暑の夏が9月末まで続き、10月に入ってからは夏日も真夏日も次第に減り、やっと秋らしい気温になってきました。日差しがある日中では気温が高くなり、気温差が15℃にもなる地域もあったそうです。倶楽部当日は、空気は乾燥気味で空は青く澄み、比較的過ごしやすい2日間でした。今月の目玉はお待ちかね、広瀬光治先生の編物講習会。倶楽部員は勿論、ヴォーグ学園心斎橋校から4名、広瀬先生のお弟子さん方数名もご参加くださり、賑やかで有意義な講習会になりました。

富士山の初冠雪は10月5日でしたが、今日はまだ雪は見られません。
空にかかる雲は秋の気配。夏から秋にかけて咲くインパチエンスも秋の最終章に向けて全力で
咲かせています。


ウール工房の玄関では2頭の羊がお客様をお迎えします。
講習会に先立ち、役員や有志の部員が頑張って大掃除をしてくれました。いつもm(_ _)m。


羊はサフォーク種とコリデール種。木と本物の羊の毛でできています。馬飼野牧場の営繕さん作の傑作です。



さて、今回の講習会では広瀬先生デザインの、とても繊細な模様のベストの編み方を教えていただきます。
毛糸は橋本先生による手紡ぎ糸。使用量は180g。羊種はコリデール。赤ワインで染めたピンクをメインに、コチニール、茜、玉ネギ等で染めた羊毛を少し混ぜてカード掛けした羊毛を使用しています。何とも言えない落ち着いたピンクになりました。


見本が出来上がってきたときは驚きでした。「え~、、、こんな難しそうなベスト編めるのかしら (O_O) 」
そして、今。それが現実になりつつあります。


広瀬先生をお迎えしての先ず最初はお召し替え。
今回はどんな素敵なお洋服?広瀬ファンの部員達は目を凝らして先生の衣装をチェック。
1日目は白のボウタイのブラウスに、ブルーの濃淡と白を組合わせたレース編み風カーディガン、クリーム色のパンツ。お洒落な手編みのカーディガンがお似合いです。



先生の講習はトークから始ります。楽しいお喋りは皆大好き。軽妙な語り口に、引きずり込まれ、いつの間にか広瀬ワールドに入り込んでしまいます。

先ずは作品の説明です。
棒針は各自の糸の太さによっても異なりますが、大体、4号針を使います。
先ず、鉤針で棒針に編み付ける方法で作り目をし、後ろ身頃から編み始めます。



講習2日目のお衣装は、白の複雑な模様編みのセーターにブルーのパンツ。「ニットの貴公子」らしく、よくお似合いです。



複雑な模様編みですから、今日はお喋りも少なく、熱心に編み続けます。



2日間共にお弁当は牧場で作っていただきました。
1日目は(下の写真)ハンバーグと鶏の唐揚げを中心にしたお弁当。野菜もたっぷり入れていただきました。2日目は天ぷらがメイン、ひじきも美味しかったです。また、部員のKさんがお餅をついてきて下さいました。餡や大根おろしのからみ餅を皆さん美味しくいただきました。



2日間にわたる楽しい講習会は時間が過ぎるのが早く、あっという間に終了してしまった、、、と、広瀬先生ファンの一人が感想を述べていたように、難しい作業に集中していると、時間が過ぎるのが速いものです。
このベストは今年の展示会に出品するもの。あと1ヶ月半で難しい編み方を習得して、作品に仕上げることができるのでしょうか。ちょっと不安になってきましたが、頑張らなければ!!

見本を編んでいただくためにお送りした糸について、広瀬先生がこんなお話しをして下さいました。
『この糸は、羊の汚れた毛を綺麗に解して洗い、それを染色し、手紡ぎをした結果生れた貴重な毛糸です。市販の糸に比べて軽く、このベストに使った糸の量は僅か180gです。しかも暖かい。このような活動をしている所は本当に珍しいです。皆さんは、そういう貴重な活動をしているのです』
広瀬先生のこのお言葉は倶楽部員を勇気づけ、誇りを持たせてくださるもので、これから先、ウール倶楽部を続けていく上での強い見方になって下さるはずです。  

Posted by woolclub at 00:05
倶楽部活動