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2023年10月15日

2023年9月のウール倶楽部

防災の日の9月1日と2日の両日、9月のウール倶楽部を開催しました。
台風は10号が29日には温帯低気圧に変わり、9号は中国の華南の方に向っていきました。11号は石垣島の南、12号は小笠原近海にあり、静岡県は暫くの間、平穏な状態にあります。ただし、気温は30℃越え、猛暑の夏に変わりはありません、、、、が、更に酷暑続きの京都にお住まいの橋本先生にとって、富士宮の夜は過ごしやすかったとか。田貫湖の休暇村で、久々にクーラーをかけずにお休みになられたそうです。

9月に入ってもまだ夏姿の富士山。

さて、今月の倶楽部は先生の講義から始まりました。
ニット製造の先駆者である英国でのニットウェアの話。
フェアの白と精神を愛する英国のスポーツマン達が純白のウェアを着用したことから、スポーツのユニフォームに白が多いとのこと。機械編み機の考案はケンブリッジのセント・ジョーンズの神学生だったこと、その結果、ニット製造は英国が先駆者だったこと、英国の羊のこと等々。英国で生まれたセーターを学ぶ前に、英国の羊達のことを知る必要があること等々。心に響きました。
それと、日本で最初に羊を飼ったのは平賀源内だったそうです。

白のセーターと言えば、興味深い話があります。
今年のテーマであるアラン模様のセーターも白が多い時期がありました。
アランセーターの起源は諸説ありますが、20世紀初め~中頃、アイルランドのアラン諸島で、ガーンジー模様のフィッシャーマンズセーターを基に、島民が作り出したものという説が主流のようです。このアランセーター、現在では様々な色で編みますが、ガーンジーとアランの過渡期には、紺など濃い色や乳白色が多く使われたそうです。しかし、島の女性達の間でこのセーターが盛んに編まれるようになった頃、母親達は自分の息子のミサや聖餐式での晴れ着用に白のアランセーターを編むことを思いつきます。そして、子供達が着ている姿を見て、大人用の白のアランセーターを編んでダブリンのショップで売ることを提案する人も出てきました。今度はショップのディスプレイに目を付けた人も出てきて、、、、という具合に次第に広まって行き、いつの間にか”アランセーターは白”となったようです。
そのずっと後で、日本にアランセーターが入ってきた時代にも白が主流でした。「アイルランド/アランセーターの伝説」の著者である野沢弥市朗氏によれば、日本で最初にアランセーターを着た人(本の中では特に記載はありませんでしたが、一般人の中には着ていた人もいたかもしれませんので、”最初の有名人”だったかもしれません)は、伝説のレーサー式場宗吉氏だったそう。因みに、そのセーターはパリのディオールの店で購入したもので、カシミア製だったとか。

ちょっと横道にそれてしまいました。
倶楽部では講義の後、先生が編まれたアランベストと帽子のお披露目。


ベストは身頃のセンターに大きな柄入り、ゴム編みは一目のねじりゴム編みです。帽子は総柄です。羊はチェビオット、色は白。スッキリ着こなせそうです。

更に、10月の広瀬先生の講習会で編む作品が完成し、紹介されました。
来月の講習会までお見せできませんが、広瀬先生らしく、繊細でとても素敵なデザインです。でも、私達にとっては途方も無く難しそう。2日間の講習で、大丈夫でしょうか?ちょっと心配そうな倶楽部員達です。

また、各自、講習用に紡いだ糸を橋本先生にチェックして頂きました。

どちらも、もう一息。ガンバッテ!!

さて、今日は宿題に出ていたアラン模様のサンプルの回収日です。
皆さん、きちんとお約束を守り、提出してくれました。ここではチラッとお見せしますが、12月の展示会には綺麗にレイアウトして飾り付けします。また、展示会では羊毛や紡ぎ、染色、アランの様々な情報も発信します。


今年は異常気象。暦の上では9月というのに未だに30℃越えが続く毎日。でも、これに参ってばかりはいられません。12月第1週目に予定されている展示会まで正味3ヶ月しかないのです。部屋を冷房全開にして作品と展示品造りに励みます。
ご期待下さい。
  

Posted by woolclub at 23:56
倶楽部活動

2023年10月15日

2023年10月のウール倶楽部

10月のウール倶楽部は13日(金)、14日(土)の両日開催しました。
酷暑の夏が9月末まで続き、10月に入ってからは夏日も真夏日も次第に減り、やっと秋らしい気温になってきました。日差しがある日中では気温が高くなり、気温差が15℃にもなる地域もあったそうです。倶楽部当日は、空気は乾燥気味で空は青く澄み、比較的過ごしやすい2日間でした。今月の目玉はお待ちかね、広瀬光治先生の編物講習会。倶楽部員は勿論、ヴォーグ学園心斎橋校から4名、広瀬先生のお弟子さん方数名もご参加くださり、賑やかで有意義な講習会になりました。

富士山の初冠雪は10月5日でしたが、今日はまだ雪は見られません。
空にかかる雲は秋の気配。夏から秋にかけて咲くインパチエンスも秋の最終章に向けて全力で
咲かせています。


ウール工房の玄関では2頭の羊がお客様をお迎えします。
講習会に先立ち、役員や有志の部員が頑張って大掃除をしてくれました。いつもm(_ _)m。


羊はサフォーク種とコリデール種。木と本物の羊の毛でできています。馬飼野牧場の営繕さん作の傑作です。



さて、今回の講習会では広瀬先生デザインの、とても繊細な模様のベストの編み方を教えていただきます。
毛糸は橋本先生による手紡ぎ糸。使用量は180g。羊種はコリデール。赤ワインで染めたピンクをメインに、コチニール、茜、玉ネギ等で染めた羊毛を少し混ぜてカード掛けした羊毛を使用しています。何とも言えない落ち着いたピンクになりました。


見本が出来上がってきたときは驚きでした。「え~、、、こんな難しそうなベスト編めるのかしら (O_O) 」
そして、今。それが現実になりつつあります。


広瀬先生をお迎えしての先ず最初はお召し替え。
今回はどんな素敵なお洋服?広瀬ファンの部員達は目を凝らして先生の衣装をチェック。
1日目は白のボウタイのブラウスに、ブルーの濃淡と白を組合わせたレース編み風カーディガン、クリーム色のパンツ。お洒落な手編みのカーディガンがお似合いです。



先生の講習はトークから始ります。楽しいお喋りは皆大好き。軽妙な語り口に、引きずり込まれ、いつの間にか広瀬ワールドに入り込んでしまいます。

先ずは作品の説明です。
棒針は各自の糸の太さによっても異なりますが、大体、4号針を使います。
先ず、鉤針で棒針に編み付ける方法で作り目をし、後ろ身頃から編み始めます。



講習2日目のお衣装は、白の複雑な模様編みのセーターにブルーのパンツ。「ニットの貴公子」らしく、よくお似合いです。



複雑な模様編みですから、今日はお喋りも少なく、熱心に編み続けます。



2日間共にお弁当は牧場で作っていただきました。
1日目は(下の写真)ハンバーグと鶏の唐揚げを中心にしたお弁当。野菜もたっぷり入れていただきました。2日目は天ぷらがメイン、ひじきも美味しかったです。また、部員のKさんがお餅をついてきて下さいました。餡や大根おろしのからみ餅を皆さん美味しくいただきました。



2日間にわたる楽しい講習会は時間が過ぎるのが早く、あっという間に終了してしまった、、、と、広瀬先生ファンの一人が感想を述べていたように、難しい作業に集中していると、時間が過ぎるのが速いものです。
このベストは今年の展示会に出品するもの。あと1ヶ月半で難しい編み方を習得して、作品に仕上げることができるのでしょうか。ちょっと不安になってきましたが、頑張らなければ!!

見本を編んでいただくためにお送りした糸について、広瀬先生がこんなお話しをして下さいました。
『この糸は、羊の汚れた毛を綺麗に解して洗い、それを染色し、手紡ぎをした結果生れた貴重な毛糸です。市販の糸に比べて軽く、このベストに使った糸の量は僅か180gです。しかも暖かい。このような活動をしている所は本当に珍しいです。皆さんは、そういう貴重な活動をしているのです』
広瀬先生のこのお言葉は倶楽部員を勇気づけ、誇りを持たせてくださるもので、これから先、ウール倶楽部を続けていく上での強い見方になって下さるはずです。  

Posted by woolclub at 00:05
倶楽部活動