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2023年07月29日

2023年7月後半のウール倶楽部

7月2回目、夏休み前のウール倶楽部は28日(金)、29日(土)に開催されました。
このところ、日本列島、どこもかしこも酷暑続き。35℃でも「暑い~」とうなりそうですが、日本のあちらこちらで36℃、37℃、39℃という信じられないような数字が並んでいます。この暑さをもたらしているのが太平洋高気圧。フィリピンの東海上にある台風5号の影響で、太平洋高気圧の張り出しが強まっているためだそうで、この先1週間も災害級の暑さが続くと報じられています。富士の麓、標高650mにある馬飼野牧場でも例年とは比べものにならないほどの暑さではありましたが、36~37℃という地域に比べれば、それはもう過ごしやすい気候。緑の多さや真っ青な富士山の夏姿も視覚的な涼しさを与えてくれます。


今回の倶楽部のテーマは「ヨモギと雑草染め」。
朝の連続テレビ小説「らんまん」は日本植物分類学の父・牧野富太郎博士をモデルにした物語で、日本中で雑草への興味が高まっています。それに触発された訳でもありませんが、北海道の士別を訪れた部員達の心に響いたものがあったのでしょう。久々に自分達で採取したヨモギや雑草での染色をすることになりました。

早朝の牧場で染料となる雑草やヨモギ摘みをする事になっていたのですが、ウール倶楽部員は協力的。
Kさんはお兄さんにお手伝い願って前日にヨモギを刈り取って下さり、Tさんも早起きしてヨモギを摘み、K部長も月見草などの雑草を採取して下さり、その重量はヨモギ5.9kg、雑草7kg。
当日はこれ以上採取する必要もなく、早速染料の整理から始めました。
夏のヨモギもその他の雑草も背が高く伸び、茎が硬くなっているので、茎から葉を摘み取り、小さく切ります。
これがなかなか大変な作業。ヨモギや雑草の灰汁で手が真っ黒になります。それでも皆でやる作業は楽しいもの。例によってわいわいがやがや、、、お口と共に手も動かして染料を作ります。




染材が揃ったら、先ずはヨモギの葉を煮出して染液を作り、色のチェックをします。




出来上がった染液で染めたヨモギの1染目がこれ。
黄色系です。


淡く優しい黄色に染め上がりました。




ヨモギ2染目は鉄を入れ、色の入り具合を見た後、酢酸を入れ、残りの鉄を追加し、一晩放冷しました。
その結果がこれ。1染目の淡い黄色に比べ、2染目は少し緑がかっています。


3染目は雑草染め。
ヨモギ同様、雑草の葉を煮出して先焙煎していた羊毛を入れます。


途中、羊毛を揚げて染まり具合を見て、一晩放冷する事になりました。


こちらは一晩放冷した雑草染め。


翌日、もう一度火を入れ、鉄を入れて30分後に酢酸を入れ火を消して、ぴったり蓋をして1時間半ほど放冷。その後、蓋を取り1時間冷まして洗い、解して乾燥中です。




光の加減で黄色に見えることもありますが、実際には淡いグリーン。食いしん坊且つ呑兵衛のAさんに依れば、「オリーブの実の新漬け」の色だそうです。なるほど、、、あの色ね。色と共に、年に一度頂く爽やかなオリーブの実の味を思い出すと共に、その色を思い浮かべました。
手も口も動かしながらの解し作業。楽しい一時でもあります。



染色の間に、草木染めのレクチャーがありました。
日本では弥生時代後期頃から草木染めが行なわれていたこと、一種のみの色素に依る化学染料を使った化学染めに対し、植物が持つ多様な色素やタンニンなどが作用する草木染めは非常に複雑な奥深い色合いを出すものであること等を学びました。また、染材も様々で、コチニールのような虫を使っての染色も草木染めに分類されます。



今回は久々に染材の採取から自分達で行なう染色でした。暑い中、大変な作業でしたが、部員達には相応の充実感がありました。これからも与えられたものだけを学ぶのではなく、自ら欲して学ぶという態度を身に付けていけると、より楽しい倶楽部活動に繋がるのではないでしょうか。


静岡県はコロナの第9波に入ったのだそうです。確かに身近でそうしたことを思わせる傾向が出てきています。
高齢者のいるところ、基礎疾患の病をもっている人が多いような場所では、マスクを付ける配慮を!!
  


Posted by woolclub at 23:55
倶楽部活動

2023年07月07日

2023年7月のウール倶楽部

7月第1回目のウール倶楽部は7日(金)、8日(土)の両日開催。よく晴れて暑い1日だった金曜日、青い富士山、入口の植え込みに咲いた白いヤマボウシの花、紫陽花など牧場は一気に夏景色です。







今回の倶楽部では先ず、橋本先生の白いセーターとアランのポシェットの紹介。
白いセーターの羊種はチェビオット。先ず、袖口から真っ直ぐに模様編みをして襟ぐりは休み目をし、反対側の袖も続けて編みます。要するに、タオルのような長方形の袖部分を1枚編みます。身頃は長方形の部分から拾い目をしてメリヤス編み。模様編みを除けば減らし目もなく比較的簡単と言えますが、完成品はとても素敵です。




こちらは大胆なアラン模様のポシェット。


裏地も付いて、実用的です。



さて、部員一同のこのところの大きな関心事は、自分が紡いだ糸が果たして紡毛か梳毛かということ。橋本先生のチェックを受けて合格だった部員は「ラッキー ♡♡♡」。ところが、「梳毛」と指摘された部員は(゜◇゜)ガーン。先生に紡ぎの実技の講習をして頂き、連日猛練習をして頑張ってきました。
しかし、柔らかくて綺麗な紡毛糸を紡ぐためには、紡毛糸と梳毛糸の成り立ちをきちんと理解できていることが必要ということで、今回、改めて基礎的な講義をして下さいました。


講義の後、この1ヶ月間頑張って紡いだ糸のチェックを受けました。
とても丁寧に紡いであって、太さも丁度良く柔らかく紡げています。さて、これは紡毛or 梳毛?
「ほぼ紡毛。でも、所々、梳毛になってますね」




でも、この糸で編んだものはとても柔らか。
先生の説明にも熱が入ります。
「触ってみて」、
「本当だ! 柔らかい!」
それは、「編み方が上手だから」。糸の欠点部分を編み方でカバーしているからだそうです。


ここまで紡ぎの技術が上達しているのですから、今日の講義を聴き、もう一度丁寧に紡いだら、きっと見事な紡毛糸になることでしょう。

講義の後は、12月に行なわれる恒例の展示会の計画。ワークショップ用にHさんが提案してくれた小さなクリスマスツリー(内容はまだ内緒)について話合いをしました。(素敵ですよー)

午後は次回に予定している「ヨモギ」と「雑草いろいろ」の染色用羊毛の解し。面倒な作業も、皆でお喋りしながらすると、楽しい一時に変ります。

今回の倶楽部活動で感じたこと。
ウール倶楽部員は熱量が低い、、、倶楽部での学びに対して熱心さが足りないと思われることが多々ありましたが、なんのなんの! 「あなたのは梳毛」と駄目出しされたことを切っ掛けに、熱心に紡ぎに取り組む姿が見られ、今回、彼女達は見事に合格を頂いていました。
「やればできるジャン!」
ゆったり、のんびりペースで良いではありませんか。
この調子で頑張りましょう。
  

Posted by woolclub at 23:45
倶楽部活動